おはなしをするよ

好きなものについて書き連ねていきます

JKカフェ的な場所ではたらいた話

好きなものの話ではなくて恐縮ですが、先日秋葉原でたくさんの客引きの女の子を見かけ、思い出したので書いてみようと思います。

この話は、3年以上の前の記憶を掘り起こしながら書いたものです。見つかって怒られたくないのでちょこちょこフェイク入れてあります。

 

私の通っていた高校は通信制で、土地柄もあったのかちょっとやんちゃな人たちがいました。グレーな大人の人とつるんでるマイルドヤンキー()とかね。そんな人たちのグループと、私は若干仲良しでした。

通信制ということで、人が少なかったこともあり登校している人たちは全員そこそこ仲良しだったんです。全員が全員と喋ったことある、みたいな。ヤンキー感漂う見た目のある女の子は、オタクの友達に誘われてプリパラをプレイしていたので私とよく話すようになりました。彼女はめちゃくちゃいい子でしたし、私は彼女の実家にも遊びに行ったことがありご両親ともそれなりに仲良しでした。

 

そんな彼女からある日LINEで「先輩がやってるお店でバイトの子探してるんだけどやらない?」と誘われました。詳しく聞いてみると、「喋ってるだけで大丈夫だし、全然大変じゃないよ!メイド喫茶の制服版みたいなやつだから!」と。

いやそれJKビジネスやないかーーーーーーーーーい!!!

巷で噂のグレーなやつじゃん!!!!!!

彼女曰く、「私が紹介するから履歴書とか口座もいらないし、やってみて無理だと思ったら断っとくから!」とのこと。私は2時間だけならという約束でやってみることにしました。 

だってこんなに面白いうえにそれなりに安全な話あります?絶対面白いじゃん。今考えると相当頭がおかしいですが、当時の私は世間知らずな高校三年生だったので二つ返事でOKしてしまいました。

 

結論から申し上げますと、めちゃくちゃグレーどころかほぼ黒で大変面白かったです。私は無事でした。

 

お店へ行くと、というか行くと連絡すると「秋葉原のケンタッキー前にいてほしい、迎えに行く」といわれました。えっ…店の住所とかは…。

ケンタッキー前に到着したと連絡をするとスーツ姿の若い男性(しかしチャラそう)から声をかけられ、店に連れて行くからついてきてほしいと。ついていくと、到着したのは見るからに飲食店なんて入っていなさそうな雑居ビル。しかも看板なし。一階にはスチームパンク風の雑貨屋さんが入っていましたが営業しておらず、お店へ入る階段もパッと見見当たりません。

男性が雑貨屋さんの横にあるドアに暗証番号を入力すると扉が開きました。一見さんお断りどころか普通に入ることすらできねえじゃん…。私はもうすでに帰りたかったのですが、ここでダッシュで逃げても絶対に捕まるので大人しく中に入りました。

細い階段を上がっていき、2階に店内がありました。店内はファンシーなパステルピンクの壁紙にフローリングで、こんな感じ。

 

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 左側の青い四角が客席です。低くて小さなテーブルに、女の子とお客さんが向かい合わせで座る形。多分隣に座ったら”接待”になってしまって、未成年を雇えないからだと思います。知らないけど。更衣スペースはカーテンで区切られていました。

 

本来は履歴書を提出し写真を撮ったりするようなのですが、私は一日お試しだったことと友人の紹介だったこともあり、スタッフの男性と軽くお話しするだけでした。

客引きするとは聞いてなかった(紹介してくれた子も聞かされていなかったらしい)けれど、客引きをしないといけないらしい。嘘やん。

注意点は

「ここはJKカフェではなく『おはなしカフェ』」

「料金は30分2500円で、連れてきたお客さんの会計の6割が私のお給料になる。ただしチェキ代は全額私のお給料。」

「飲み物や料理は出せないので近くのコンビニか自販機で買ってから来てもらう」

「お酒が飲みたいといわれたら別店舗を紹介する。ただしガールズバーでもキャバクラでもないのでその2単語は絶対に言わないように。お酒が飲みたいといわれたら待機しているスタッフに伝えること。」

「チラシは見せるだけ、絶対に渡さない(引き出しに何枚か入っていたチラシの中から渡されたのですが、すべてデザインが違ったうえに店名が違うものまでありました。怖。)」

「来てくれるというお客さんがいたら直接連れて来ずに、ケンタッキー前で待機している男性スタッフに声をかけ一緒に来る」

「引き抜き防止のためほかの女の子とは喋らない」

「何かあったら男性スタッフが助けに行くから心配しなくていい。とにかく歩いている男に声をかけろ」

など。もう怪しい臭いしかしない。胡散臭すぎる。

お客さんを呼べなかった場合お給料はもらえないんですか?と聞いたら「そんなことは滅多にないから安心してくれ」と。滅多にないってことは暗に肯定してない?不安しかない。

 

お店で用意してくれた制服(おそらくドンキのもの)に着替え、貴重品をロッカーに入れて客引きに向かいます。

客引きをするのは秋葉原のケンタッキー前の通り、らしんばんメロンブックスのある通りの入り口でした。客引きの女の子はほかにも何人かいて、来てくれる男性を捕まえられたら店内で接客できるシステム。通りがかる男性に声をかけるのですが、まあ捕まらない。他店含めて客引きの女の子は山ほどいるから仕方ないのですが、あからさまに舌打ちされるとちょっと傷つきます。男性スタッフから「声かけてみてちょっと反応がよさそうな人がいたらしばらく一緒に歩いて粘るといい」とアドバイスされ、再チャレンジ。しばらく試すと、ようやく一人の男性が「一時間だけなら」とついてきてくれました。

 

男性スタッフに声をかけて店内へ。システムの説明などをスタッフがしてくれるのかと思いきや、先払いの会計が終わると即私にバトンタッチ。

いやーーーーーーーーーーーー何も聞いてないんですが私この状態でここからこの人と一時間喋るの???キツくない??スタッフさんケータイいじってるし完全に私がどうにかしなきゃいけないやつだな?????

 

テーブルにお客さんを案内し、「なにしにアキバ来たんですか?」等他愛のない話をしました。私はそれまでバイト経験が無かったので、これが初めてのアルバイトだという話をしたらお客さんに「君ヤバいねwww」って言われました。私もそう思います。

テーブルとイスは低いし小さいので、向かい合わせで2人座ると膝が若干触れました。幸いなことに私のお客さんはいい人だったのですが、隣の女の子はむき出しの膝をお客さんに触られており、スタッフはそれを咎めませんでした。単に気づいていなかったのかもしれませんが。

そんなこんなで一時間が過ぎ、お客さんは退店。再び客引きに出かけ、ついて来てくれた別の人とお店で30分お話をしました。

 

私が働いたのは2時間、お客さんは2人でお給料は4500円。お給料を渡されるとき、スタッフからは「時給にすると2000円超えるしこんないいバイト先ほかにないと思うけど」と引き留められましたが、いつ摘発されるかもわからないようなグレーなお店で働き続けるのはさすがに怖いので丁重にお断りしました。

 

今もそのお店があるのかはわかりません。多分もう無いと思います。あのスタッフさんたちの本業が何なのかも分かりません。紹介してくれた彼女とは、卒業後交流がありません。元気かな。

 

皆さんも客引きには注意してくださいね。入った日に警察が来たら目も当てられませんし。

それでは。